工場事業場管理令(昭和12年勅令第528号)(口語訳)

※分かりやすくするために、用語を代えたり、句読点をつけたり、カタカナをひらがなになおしたりました。

第一条 軍需工業動員法第二条の規定によって工場及び事業場ならびにその付属設備(以下工場事業場)の管理については本勅令の定めによる。

第二条 主務大臣は、工場事業場を管理しようとする時は内閣総理大臣と協議しなければならない。

第三条 管理は、主務大臣の発する管理令書を送付した時から開始する。但し、管理令書で特別の定めをしている場合はこの限りではない。
2 管理令書の送付は管理すべき工場事業場の事業主に対して行う。但し、やむを得ない場合は、工場事業場長その他これに準じる者に対して送付することができる。

第四条 管理令書には次の事項を記載しなければならない。
一 工場事業場の名称及び所在地
二 管理の範囲
三 第十三条の規定によって主務大臣の職権の一部を行う官庁の長がいる場合は、その長及びその職権の範囲
四 監理官の官職氏名
五 その他必要事項

第五条 第二条及び第三条の規定は、管理の範囲を変更したり、管理を廃止したりする場合に準用する。
2 第三条第二項の規定は、前条第三号及び第五号の事項に変更があった場合に準用する。

第六条 主務大臣は、その管理に関わる工場事業場における軍需品または軍需品の生産や修理に要する原料や燃料、電力及び動力の生産や修理または発生に関して当該工場事業場の事業主を指揮監督する。

第七条 主務大臣は、その管理に関わる工場事業場に監理官を置き、工場事業場の業務を監督させる。

第八条 管理に関わる工場事業場の事業主が当該工場事業場を廃止または休止する時は、主務大臣の許可を受けなければならない。

第九条 管理に関わる工場事業場の事業主は、本勅令による命令の適用にあたって事業主に代わる事業管理人を選任することができる。
2 主務大臣は必要と認めた時は、事業主に対して事業管理人の選任を命ずることができる。
3 事業主が、次の各号の一に該当する場合には事業管理人を選任しなければならない。
一 法人である時
二 営業に関して成年者と同一の能力のない未成年者または禁治産者である時
三 本勅令の施行地に居住していない時
4 事業管理人の選任及び解任は、主務大臣の認可を受けなければその効力は生じない。
5 第二項及び第三項の場合において、事業主が事業管理人を選任しなかったり、選任できなかった時は、主務大臣は工場事業場の経営について権限を有する者の中から事業管理人を選任することができる。

第十条 事業管理人が本勅令または、本勅令による命令に違反した時は、主務大臣はこれを解任することができる。

第十一条 工場事業場の管理によって生じた損害の補償を請求しようとする者は、管理廃止後命令の定める所によって請求すること。但し、主務大臣の定める所によっては毎事業年度の終わった後または損害が生じる度にこれを請求することができる。

第十二条 管理に関わる工場事業場の経営を受け継ぐ者は、本勅令または本勅令による命令に基づいて前者の権利と義務を受け継ぐこととする。

第十三条 主務大臣は、本勅令によって管理に関わる工場事業場に対する職権の一部を所管の官庁の長をして行わせることができる。
2 前項の場合において、当該官庁の長は、主務大臣の定めるところによって、前項の規定によって職権を所属官庁の長に行わせることができる。

第十四条 本勅令中、主務大臣とあるのは、軍事機密の保護上、その他の軍事上特に必要ある工場事業場については陸軍大臣または海軍大臣とする。
2 前項の場合以外は、本勅令中主務大臣とあるのは、朝鮮、台湾、関東州及び南満州鉄道付属地または樺太では、それぞれ、朝鮮総督、台湾総督、満州国駐箚特命全権大使または樺太庁長官とする。

付則(省略)

[制作者註]
※この勅令は、「軍需工業動員法」に代わり「工場事業場管理令」勅令第528号として、昭和12年9月25日公布されました。以後、昭和12年勅令第685号と改正されました。
※上記の口語訳は、昭和12年勅令第528号によるものです。
※なお、昭和13年「工場事業場管理令」勅令第318号により、廃止されました。

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