第9章 罰則              法律名は略称です。

改正後(新)
第118条〜第123条(条文省略)
第124条  第103第13項第103条の2第3項において準用する場合を含む。)又は第14項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、20万円以下の罰金に処する。
第125条  第103条第1項又は第2項の規定による取扱物資の保管命令に違反して当該物資を隠匿し、毀棄し、又は搬出した者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第126条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
命令者・執行者 対象者 命令等の内容 罰則対象 (罰則)
第124条 都道府県知事 管理者等 病院、診療所を管理 立ち入り
検査させる
拒否
妨害
忌避
20万円以下の罰金
政令で定める施設を管理
所有者等
生産者
集荷業者
販売業者
配給業者
保管業者
輸送業者
土地使用
家屋を使用
物資を使用
立木等の移転
立木等の処分
取り扱う物資の保管 報告させる立ち入り
検査させる
無報告
虚偽報告
拒否
妨害
忌避
第125条 都道府県知事 保管命令の出た物資 隠匿
毀棄
搬出
6月以下の懲役又は
30万円以下の罰金

[解説]
 自衛隊法による罰則規定において、第118条から第123条までは、自衛隊員及び予備自衛官とその関係者に対する罰則規定である。つまり、隊員の規律違反や軍事の機密漏洩、団結権の禁止等の違反等に関わる軍隊独自の罰則である。

    2001年、アメ リカにおける大規模テロに対するアメ リカのの報復戦争に賛同した政府は、「テロ対策特別措置法」を国会で強引に通過させた。そのどさくさに紛れて改悪された罰則でも、自衛隊員との関わりでのみ該当者となるものであった。
   今回の改悪によって追加された3条項の罰則対象が、民間人単独であることが大きな特徴である。そもそも軍隊法規である自衛隊法の中で、民間人単独を罰則対象とした3条項が付け刃的に付け足されていること自体異様ではある。平時の中に有事を持ち込んだ印象は免れず、民間社会に軍隊社会を持ち込んだとも言えよう。

   そもそも、憲法違反の自衛隊が、これも憲法違反の「有事法制」によって改悪される自衛隊法の発動自体が、二重三重の憲法違反ではある。法的解釈に基づいても、この3条項は、思想信条の自由を踏みにじる条文となっている。つまり、一方的に戦争に協力させる罰則であり、戦争に反対する思想信条の自由は保障されていない。それはとりもなおさず憲法体制の日本の社会で、軍事優先の政治が質的に一歩動きだしたといえる。
 
  我々は、今回の「有事法制」が、本格的な戦争国家へ向けての芽出しであることを、歴史から真剣に学ばなければならない。

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