修学旅行における沖縄戦の学習(ガイドメモから)
           〜 長野県T高校の場合〜

1 ねらい(省略)
2 日時…02年12月
3 Aコース( A 組)
┌ ホテル発(8:00)
├ ☆「ひめゆりの塔」「資料館」(9:00〜9:50)
├ ☆「糸数の壕」(10:20〜11:20)
├ 昼食(玉泉洞)(11:30〜13:15)
├ ☆「平和祈念公園」(13:35〜14:35)
└ ☆「首里城公園」(13:30〜16:50)
(ガイド下車)

4 コース経過(往路…国道58号、国道331号、県道、復路…高速道)
那覇市→豊見城市→糸満市→具志頭村→玉城村→具志頭村→糸満市→東風平町→南風原町→那覇市(首里・ガイド下車)

5 ガイドの視点

(1)原点
@ 過去を知ることによって現在を考え、現在を考えることによって未来を創る。
A 生きるということの意味は何かを考えること。

(2)沖縄戦学習の意義
@ 人間の究極がそこにある。
A 平和でなければ何も始まらない。
B 戦争はすべてを破壊してしまう。
C 衣食住、文化の基盤が平和をつくる。

(3)なぜ戦争資料館に入るのか…戦場への導入
(4)なぜガマに入るのか…戦場の追体験
(5)なぜ慰霊塔を学ぶのか…戦争の認識と平和への課題

6 ガイド内容

(1)ポイント学習(別紙資料)
@「ひめゆりの塔」・「ひめゆり平和祈念資料館」
○女子学徒隊と日本軍、女子の戦争動員、学徒隊の写真の見方(対話をすること)
(資料「ひめゆり学徒隊」)

A「糸数の壕」
○日本軍陣地、陸軍病院分室、軍民一体の三期、暗闇体験、証言の朗読、
(資料「糸数の壕」)  ※入壕前の諸注意と事前ガイド

B「平和祈念公園」
○「韓国人慰霊塔」…侵略戦争の凝縮、真の戦争反省
(資料「韓国人慰霊塔」)
○「平和の礎」…その意義と役割、名前のない刻印、証のない出生と死没
(資料I「平和の礎」)
○「信濃の塔」…長野県人は戦争をどう反省し、平和をどう創ろうとしているか。
(資料J「信濃の塔」)

C「首里城公園」
○「首里司令部壕」…32軍司令部壕、牛島司令官の訓示(資料「首里司令部壕」)
○「鉄血勤皇隊壕」…男子学徒動員(資料「鉄血勤皇隊」)
○まとめのことば…沖縄戦から何を教訓として学ぶのか。
知ること、感じること、認識すること、そして、行動すること。残された者の義務、法制と沖縄戦、戦争の実態

(2)中継ガイド

@「ホテル〜ひめゆりの塔・ひめゆり資料館」(60分)
ア、あいさつと自己紹介および(1)ガイドの原点(2)沖縄戦学習の意義について
イ、通過市町村ガイド…那覇市、豊見城、糸満(資料「沖縄方面根拠地隊」)
ウ、全般ガイド…(資料「沖縄戦の経過」、資料「沖縄戦の特徴」)

A「ひめゆりの塔・ひめゆり資料館〜糸数の壕」(30分)
ア、通過村ガイド…具志頭(最後の防衛線)、玉城(以東の収容所)
イ、全般ガイド…喜屋武地区の戦闘と沖縄戦の修羅場
ウ、「海上挺身隊」…(資料「海上艇身隊第28戦隊」)

B「糸数の壕〜玉泉洞」(10分)
ア、全般ガイド…ガンガラガマ(資料「ガンガラガマ」)

C「玉泉洞〜平和祈念公園」(20分)
ア、全般ガイド…住民の戦争被害と戦争協力
イ、なぜ慰霊塔を学ぶか…沖縄戦がわかるか、戦争への反省があるのか、平和への努力が表れているか)(資料「沖縄戦と慰霊塔の碑文」)

D「平和祈念公園〜首里城公園」(50分)
ア、通過町村
○東風平町…(資料「白梅学徒隊」)、最後の防衛線の一角
○南風原町…(資料「南風原陸軍病院(壕)」)
イ、全般ガイド…沖縄戦における「集団自決」と「住民虐殺」について
(資料「集団自決について」、資料「住民虐殺について」)
ウ、戦争の被害と加害、アジアとの関係、歴史を学ぶということ
※「サトウキビ畑」の歌(バスガイドさんに)(資料「サトウキビ畑」)

7 ガイド方針

(1)生徒の興味関心に依拠しながら認識を高める。
易→難へ、感性→知識→認識へ、現在との接点を作る→(戦争への道は常に歴史の中にあること)、興味・関心→課題意識へ、

(2)主体的学習態度の育成をめざす。
(3)沖縄戦の悲惨さと沖縄戦の実相を伝える。
@住民巻き込み…供出と徴用(陣地構築とスパイ視問題)、32軍司令部の南部避難命令と喜屋武半島撤退、住民の軍隊への信頼感(神国日本の教育)、
A軍隊の本質…日本軍や米軍の個人と軍隊の問題
B捨て石作戦…「牛島司令官の訓示」

(4)沖縄戦から何を教訓として学ぶか(まとめの言葉として)
(5)生徒が「学習の成果と課題」を明確にできるようにする。

8 ガイドの技法

(1)バスの中
@補説ガイド・中継ガイド・全般的ガイド…パネル・写真・クイズ等の使用
A生徒に反応させる工夫をする。
Bバスガイドとの連携を考慮する。

(2)下車(学習ポイント)
@メーンガイド…ガイドの位置、それに相応するガイドの内容と順序、
A表現(伝達)方法の工夫…資料の事前配布、パネルの作成

9 ガイドの流れ(省略)

10 準備すべき資料
(1)プリント資料…「サトウキビ畑」、「信濃の塔の碑文」
(2)パネル(ボード)…沖縄戦の経過図(本島と南部)、沖縄戦の特徴、糸数の壕見取り図、海上特攻艇図、学徒動員数表、
(3)写真…「信濃の塔」
(4)実物・模型…今回はなし。

※生徒に渡す資料プリント
資料「沖縄戦と慰霊塔の碑文」→「信濃の塔碑文」
資料「ギーザーバンタ」→証言一例
資料「サトウキビ畑」→プリント
資料「首里司令部壕」→「牛島司令官の訓示」プリント
※教師に渡す資料…全部

11 実施後の反省

○中継ガイドはバスの速度に合わせて絞るか、要約するかが必要
○中継ガイド…ポイントガイドとの連携をすべきか、それとも別の項目とすべきかの選択が必要。その取り合わせに変化があって良かったかもしれない。
○ポイントガイド…時間内にできたが、詳しくなりがちなのを反省すること。
○生徒の反応を引き出すための工夫が足りない。紙を配って聞きたいことを書いてもらうなどの工夫が必要だった。
○ガマの中での生徒の代表の証言朗読は良かった。
○生徒が「サトウキビ畑」を歌ってくれたことはすばらしかった。
○「ひめゆりの塔」のガイドもこちらがすべきであった。
○バスガイトとの連携は良かったと思う。もう少し生かす工夫は必要だ。沖縄戦に関連する形で。そのことによってマニュアルから抜け出すきっかけになるかもしれない。また、学校現場における平和学習についての認識を新たにしてもらう機会になるかもしれない。
○(課題)生徒の学習資料について…作成と準備

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