沖縄の修学旅行(長崎原爆学習)(1993年度)       I中学校  
         平和学習の具体的計画             長崎原爆学習生徒作文

1 目的                                    
@ これまで学習した知識を生かし、近県の地理・歴史・自然・文化などを見聞することによって、広い視野と豊かな心情を育てるとともに今後の学習に役立てる。

A 団体行動を通して、集団の一員としての自覚を認識し、集団の規律を守り、道徳心などについての望ましい態度を身につける。

B 先生や級友と寝食をともにすることによって、互いに人間関係を深め、学校生活や社会生活を豊かにし、同時に事前・事後活動を通して学級の団結を高める。    

2 期日                                    
1993年10月28日 (木) 〜11月 1日 (月)    四泊五日             

3 目的地                                   
九州北部(長崎県・熊本県・大分県・福岡県)                 

4 基本方針                                  

@ 学級に男女各三班ずつの六班をつくる。(男女とも 6〜 7名とする)       
A 班は旅行中の基礎単位だが、事前・事後の活動においても活動の基礎となる。
B 班には、班長と副班長をおく。その他必要な係をおく場合もある。

C 学級には、正副級長以外に保健委員・レク委員・食事委員・入浴委員・清掃委員・ 記者係をおく。
D 教師の組織のもとに生徒の組織を作り、旅行が円滑に行われるようにする。
E 教師の役割分担を明確にして連携を深め、各部署では係の指示のもとに行動する。 
F 各係の計画を綿密に立て、事前指導・事前学習を徹底し、学習の効果を高める。  G 旅行中は、毎晩一日の「まとめと連絡調整」のミーティングを行う。
H 毎日、合同班長会(正副級長と班長)を開き、旅行の運営を万全にする。

I 規律ある旅行にするために、生活行動点検を重視し厳しい対応を行う。      
J 毎日朝と夕方(宿発後と宿着前)、バスの中で短学活を行い生徒へ意識づける。
K 旅行の現地手引(教師用)をつくり全体の運営を円滑にする。
L 旅行後、全校対象に報告会をもち、学級単位で旅行文集を発行する。
M 旅行に参加出来ない生徒がいたら、特別の課題をあたえる。
                                        
5 旅行行程                                  
(別紙参照)                                  

6 学習内容                                  
(1)T村・沖縄県をふりかえる(歴史・自然・産業等)            
(2)南西諸島のいろいろ(地理)

(3)長崎県(自然・歴史・文化・産業等)                    
@平和公園・爆心地公園・国際文化会館・被爆者証言 A雲仙地獄 B雲仙普原岳(火山)

(4)熊本県(自然・歴史・文化・産業等)
@有明海 A熊本城 B阿蘇山・草千里(火山博物館) C列車体験 D大合唱(阿蘇) 
(5)大分県(自然・歴史・文化・産業等)
@高崎山自然動物公園                             

(6)福岡県(歴史・文化・産業等)
@スペースワールド A太宰府跡 B太宰府天満宮               

7 役割                                    

(1)教師

@団長〜・旅行全般に関する総括責任者
A総務〜・旅行全般に関する企画、運営、推進及び渉外・各係との連絡調整 ・準、要保護生徒の扱い・式、会の計画と指導              
B記録〜・旅行に関する計画から実践、反省にいたる記録・次年度への資料の収集  

C会計〜・旅行に関する金銭出納・職員の厚生に関すること・旅行後の旅行社との精算 ・職員反省会に関すること
D保健養護〜・生徒や職員の健康管理・救急体制とその事後処置・保健安全指導
Eレク〜・学級と全体レクの種目や方法の計画と事前指導・レク委員の指導・フォークダンスの指導

F全体指揮〜・全体訓練の指導や全生徒の掌握・集合、解散、乗車、下車等の指揮・出発の合図等の全体指揮・レク係との連携調整           
G学習指導〜・しおりの学習内容に関すること・見学地の事前壁新聞づくり・現地での学習の記録の点検確認・事後の文集発行や報告会の指導・事前における学級、班の学習の計画と指導              
H生活指導〜・船内の安全・宿泊での室内外の生活態度や安全指導・船内での巡視計画と推進・旅行全般にわたる生活指導・問題行動の発生時における指導的役割・拾得物や忘れ物の処理    

I食事指導〜・添乗員との連絡で、船、ホテル等においての食事の連絡・食事のマナー等の指導・食事委員の指導
J入浴指導〜・入浴場と入浴人数の割り振り・入浴の方法の検討と指導・入浴委員の指導
K清掃指導〜・旅館の部屋、トイレ、洗面所等の清掃分担の指示・バスや船内・列車内の保清等の注意・清掃委員の指導

L旅行速報〜・PTA広報委員、一二年の担任及び先生方との連携・旅行記者の指導 ・現地と学校との連絡等
M班長会指導〜・班長会における反省、伝達の指導・しおりの記入指導・旅行全般にわたる基本的な行動の指導・班行動の徹底指導・班日記の記入指導と点検等
N宿泊部屋割当〜・船や旅館の生徒、教師の部屋割当・現地での調整と指示

O写真(委託)〜・旅行中の記念撮影場所の決定と指示・業者との連携・スナップ写真の撮影の世話   
Pしおり編集〜・しおりの原稿分担と回収・印刷の手配と校正・印刷の交渉等
Q指導の手引〜・各係の指導計画原稿の回収・細部の現地での指導要領作成・旅行の機能的運営の要領作成・印刷、製本

(2)生徒

@正副級長〜・担任との連携と学級への指示行動・出発式、対面式、解団式、お別れ会等の計画と運営・朝と夕の短学活の進行司会・班長をまとめる・学級紹介文のまとめ・宿泊所へのお礼・その他必要なことを担任と係の先生と進める

A班長〜・担任、正副級長、委員等と連絡をとって、班員をまとめる・人員点検を行い、報告する・班の団結をめざす・班の目標や約束をきめる・バスガイドへの班紹介文を作る・事前学習をまとめる・事前訓練の中心となる・班員の指導をする・班長会に参加し反省をする・班会の司会進行をする・班日記を書く・しおりの学習記録を徹底させる・班員の健康観察を報告する・日程や見学地の確認を班員に徹底させる・学級の係に協力する・その他旅行の中心という自覚をもって行動する

B保健委員〜・健康状況の記録と報告・病人などの報告・看護のてつだい
Cレク委員〜・学級レク、全体レクの計画と準備と運営・バスや船内でのレク・全体レクの計画、準備、運営など

D食事委員〜・食前、食後の挨拶・食後の片付けの手伝いなど・履物の整理整頓  
E入浴委員〜・入浴のよびかけ・浴場の片付けや掃除 
F清掃委員〜・船内、宿泊所での清掃と点検・バスの中の保清・その他
G記者係〜・「旅行速報」の原稿を書く。                   

8 分担                                    

(1)教師

@団長 A総務 B記録 C会計 D保健・救護 Eレク F全体指揮 G学習 H生活I食事 J入浴 K清掃 L速報 M班長会 N部屋割当 O写真 Pしおり Q手引作成

(2)生徒〜各学級で選出(月日までに)                   

@正副級長〜2学期の役員
A班長〜男子三人、女子三人で正副級長や他の委員と兼任しない。
B委員(保健・レク・食事・入浴・清掃)は男子一人、女子一人(兼任しない)
C記者〜男女関係なく文章力のある生徒二人                  

9 全体の連絡系統
(省略)

10 主な事前活動

○二学期正副級長、班編成及び班長選出、各委員及び記者選出報告
○しおり原稿の検討会
○しおり印刷回し
○しおり完成
○フォークダンスの練習
○修学旅行の意義説明と事前学習発表(かべ新聞形式)
○各委員会における計画及び事前指導
○班長の事前指導(班会、班日記、班長の行動についてなど)
○正副級長の事前指導(各式及び会の運営について・あいさつ等)
○学級における「しおり」の読み合わせ
○学級における班会議(班の目標やきまりなど)
○班紹介及び学級紹介文の完成
○全体訓練(集合・歩行・避難及び合唱などを三回程度)
○修学旅行父母説明会(旅費納入)
○教師用手引きの原稿締切り
○教師用手引完成
○保健手帳の写し提出
○修学旅行壮行会
○教師結団式
○しおり及び学級紹介文の発送
○参加者の最終決定
○荷物点検
○その他


修学旅行における平和教育の実践

1 ねらい
 修学旅行の機会を通して、長崎に投下され多くの犠牲者を出し、現在もなお犠牲者を出している原爆について学習し、戦争と平和についての考えを深くする。

2 期日
 月    日(  )〜月  日(  )

3 場所
 長崎県長崎市・平和祈念公園、爆心地公園、国際文化会館、被爆者の家

4 学習内容

○平和祈念公園にて、「平和祈念像」の由来や「平和の泉」の由来を学習する。
○爆心地公園にて、原爆の威力について学習する。
○原爆資料館にて、原爆やその被害などについて学習する。
○体験者の証言を聞き、原爆の恐ろしさや被爆の悲惨さを深く理解する。
○原爆、被爆、戦争について考え、自分の思いをまとめる。

5 方針

@「修学旅行のしおり」に、学習の手引きを設け、学習が上滑りにならないよう工夫する。
A学習の手助けとして、補助ガイドをのせ、生徒の学習意欲を高める。
B事前学習の課題を設け、生徒が事前に自習できるように工夫する。
C事前学習として、個人の学習は「しおり」でおこなう。
D学級での班活動として、事前学習の壁新聞をつくる。壁新聞は各教室で掲示し、全体に交流する。この壁新聞の項目に「原爆」をいれる。
E現地学習の課題を設け、現地で見聞しなければわからない設問によって現地学習の意識を高める。

6 事後のまとめ

@手引きを設けたことは、学習の段取りが明らかとなって良かった。
A学習内容が明確で、事前・現地学習に分けたことが良かった。しかし、生徒に十分活用されたかについては、課題が残った。
B事前・現地の設問は、もっとわかりやすい表現にすべきであった。もしくは、選択肢をもうけて、選択による解答の工夫も必要であった。
Cバスの乗り降りに伴い、「しおり」持参に個人差が出ていた。
D体験者の証言を聞く時の、生徒の目が真剣で印象的であった。
E旅行後に実施した原爆詩の授業では、生徒の読みが深まった。


「修学旅行の学習しおり」か(93年版)                  

概説

◇長崎市(当時45万人)

○1550年、平戸に入港したポルトガルの貿易船と、フランシスコ・ザビエルの上陸によって、長崎は西洋文明の日本への玄関口となった。

○ ところが、1639年の島原の乱以後、幕府は鎖国の体制をととのえ、厳しいキリシタン禁止令を発し、長年の貿易国であったポルトガル人も追放した。そして、布教と関係のないオランダ人に商館を開かせ、ここ( 出島) を拠点に対オランダ・中国との貿易の独占をはかった。そのため、長崎は対アイヌの松前藩、対朝鮮の対馬、対中国の琉球を除く国内唯一の貿易港として栄えた。

○1858年、幕府は諸外国の圧力で鎖国を追わらせ、長崎も自由貿易港となった。グラバー邸で有名なイギリスの貿易商人のトーマス・グラバーもこのころの人物である。  

○そのころ、まだキリシタン禁止令は残っていて、根絶されたと思われていた隠れキリシタンが長崎で発見され、1867年日本キリシタンの最後の弾圧とされる「浦上四番崩れ」といわれる弾圧があった。その六年後の1873年諸外国の強い抗議があってキリシタン禁止令を政府はあきらめたのだった。

○明治政府の朝鮮併合や満州事変などと合わせて、長崎造船所を中心にして一大軍事基地の道をたどることになった。それは、昭和の前半まで続き、原爆投下の原因ともなっていった。

○ 1945年8月9日、広島に続いて原爆が投下された。浦上を中心に長崎市の市街の大半が廃墟となった。この日は、第二目標地であった小倉に投下の予定であったが、小倉は天候不良のため第三目標地の長崎に投下された。死者 7万 4千人、負傷者 7万 5千人にのぼった。こうした悲劇を三度繰り返させないため、爆心地付近には平和公園や爆心地公園、国際文化会館(原爆資料館)等が作られ、平和のために活用されている。しかし、現在もなお、原爆症で毎年数千人の人々がなくなっている。
                                  
◇平和公園(長崎市)                             

○「平和祈念像」〜高さ約十メートルの男神像で、制作者の北村西望氏によれば、この像は神の愛と仏の慈悲を象徴し、上方を指さした右手は原爆の脅威を、水平にのばした左手は平和を、軽くとじたまぶたは原爆犠牲者の冥福を祈っているといわれている。 

○「原爆殉難者名簿奉安の箱」〜祈念像の前の池のにあり、被爆以来の原爆死者の名前を書留め、納めてある。最近は、毎年二,三千名の方がなくなっていく。

○「被爆者の店」〜被爆者自身の手でつくられた被爆者自身のための施設で、新設された会館で、各種の反核活動を進めている。                     

○「原爆殉難者無縁仏納骨堂」〜平和祈念像の西側道路向かいにあり。一家全滅や氏名のわからない遺骨が納められている。                       

○「平和の泉」〜祈念像の真向かいにある。被爆で亡くなった人々は、そのほとんどが「水をください」と言いながら死んでいった。その痛ましい霊に捧げる水である。前面の黒い石には、当時九歳だった山口幸子さんの文の一節が刻まれている。「のどがかわいてたまりませんでした。水にはあぶらのようなものが一面に浮いていました。どうしても水が欲しくて、とうとうあぶらの浮いたままのみました。」

○「世界平和シンボルゾーン」〜世界各国から贈られた記念碑が建つ。公園東側一帯にあるのは、「ポルト市記念碑・「人生の喜び」・「Aコール」・「諸国民友好の像」・「未来の世代を守る像・平和・乙女の像」、また、西側には「動員学徒・女子挺身隊・徴用工・一般市民原爆殉難者の碑」、「長崎の鐘」がある。

●現地学習
問1 平和祈念像は何のために作られたと思いますか。              
問2 公園内で確認した石碑や建物などの名称を三つ書きなさい。         
問3 「平和の泉」のガイドを聞き、被爆者の気持ちをまとめてみましょう。    
                                 
◇爆心地公園(長崎市)                            

○「爆心の標柱」〜原爆はこの標柱の真上約五百メートルで炸裂(さくれつ)した。

○「大橋の橋塔」〜爆心地から北約五百メートルにあった大橋の橋塔は爆風で土台から吹き飛ばされた。

○「浦上天主堂の遺壁」〜爆風で破壊された浦上天主堂の残された壁の一部である。建物は1980年に改装された。

○「水タンク・鉄骨・火の見櫓」〜爆心地より八百メートルの学校の貯水タンク、鉄鋼所の鉄骨の一部である。火の見櫓は二百五十メートルの高台にあったものである。

○「平和を祈る子の像」〜橋のたもとにある。国内外の少年少女の募金で建てられた。台座には、各県と世界十五か国の石がはめてある。                 

○「平和の母子像」〜高い石段の上にある。長崎の女性たちが全国によびかけて建てた。 

○「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼碑」〜平和を祈る子の像の後方の黒い石碑。原爆で殺された朝鮮人のために、名もない日本人がたてたもの。

○「核廃絶人類不戦の碑」〜長崎で亡くなったのは日本人だけでなく、朝鮮人・中国人・連合軍の捕虜などが犠牲となった。これらすべての外国人の犠牲者を追悼するためと人類不戦の誓いをたてたのがこの碑である。

○その他〜「電気通信労働者原爆慰霊碑」、「電鉄原爆殉難者碑」、「福田須磨子詩碑」、「原爆句碑」、「有縁無縁各霊菩提碑」、「浜口町原子爆弾殉難死者慰霊碑」などがこの一帯にある。

●現地学習
問1 爆心地公園内にある碑や遺品で、自分で確認したものを三つ書きなさい。   
                               
◇長崎原爆資料館(長崎市)                          

○新しく作られた資料館で、中には数多くの原爆に関する資料が展示されている。主な展示品は、被爆した衣類や文具品、証明書、ビラ、貨幣、家事道具、時計、楽器、岩石、瓦、金属類、ガラス、植物、報告書類、模型、写真、絵、アルバムのほか、被爆者の訴えや有名な永井隆博士のコーナーもある。

○被害状況では、原爆の爆風による被害、原爆の熱線による被害、原爆の放射能による被害の三つの被害が原爆の恐ろしさを伝えてくれる。そして、当時の長崎の町の様子がはっきりとわかる。                            

○反核コーナーでは、原爆投下の原因となった「日中戦争」から「太平洋戦争」に続くいきさつや、なぜ、原爆が投下されたのかなどについて、説明されている。また、現在の世界の核兵器や核実験の様子などがあり、みんなで核兵器をなくすためにどうしたらよいかを考える。                           

●事前学習(図書館で調べましょう)                       
1 原爆投下の年月日を調べましょう。                      
広島・・・  年  月  日  時  分
長崎・・・  年  月  日  時  分

2 そのころの日本や世界の状況(1930年〜1945年)
(日中戦争から太平洋戦争について調べましょう)              

● 現地学習                                  
問1 館内にある遺品の中から印象に残ったものを三つ書きなさい。        
問2 亡くなった人は何名ですか。(       名)
問3 けがをした人は何名ですか。(       名)
問4 原爆の被害にはどんなものがありましたか。                 
○熱線によって〜                                
○爆風によって〜                                
○放射線によって〜                              
問5 被爆者の絵か文章を一つ写本しなさい。                  
問6 原爆はなぜ長崎に投下されましたか。                   
問7 長崎に投下された原子爆弾のしくみについて図で表しなさい。        
問8 世界には、どれぐらいの原爆が貯蔵されていますか。            
問9 資料館の感想を書きましょう。(今日の一句)               
                                
◇被爆者の証言                                 

問1 被爆体験者の話の内容を箇条書きにしましょう。               
お話をしてくれた人の名前 (           )被爆当時(   歳)  

問2 被爆者のお話に対する感想や意見を書きましょう。     


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