「字のないはがき」の授業 (光村図書2 年) 
     授業の感想のまとめ(生徒作文)     
                                      
一 単元名 心のきずなをとらえる                        
  随筆「字のないはがき」(向田 邦子)
  小説「わたしを作ったもの」(ロバート・ウェストール)
  詩 「五月の雉」(蔵原伸二郎)                       

二 題材名                                   
 「字のないはがき」  向田 邦子                       

三 題材観                                   

 戦争中、東京大空襲によって一家全滅の憂き目にあった筆者の父親は、これまで親元を離さなかった末娘を学童疎開に行かせる。その前夜、膨大なはがきに自分の宛て名を認めて、元気なら○印をつけてポストにいれるよう末娘に言って持たせる。

 疎開に入った初日は赤色の大丸だった。しかし、だんだんと○が小さくなり、ついに×に変わり、そしてとうとうはがきも来なくなった。

    心配した母親が行った時、末娘は布団部屋で百日ぜきにかかって寝ていた。家に引き取ることになり、帰ってくる日、姉娘(筆者)と弟はうらなりのカボチャまで全部収穫し、末娘を迎える。父親は、裸足で家を飛び出し、末娘を抱き声をあげて泣いた。筆者は、父親の泣き声を初めて見た。普段は厳格で、威厳をもった父親であったからである。

── 短い文章の中に、戦争による悲惨な情景やその中で翻弄される家族の絆が浮き
彫りにされていて、名文である。細かく読んでいくと、戦争中の情景や家族、特に父親の心情が滲み出てくる箇所が随所にある。それを読み取ることによって、戦争の悲惨さやその中での家族の温かい愛情に触れることができる。戦場の描写はないけれど、洗練された表現の一語一語を豊かに想像力を働かせて読むことによって、そのことは十分に読み取ることができる文章である。

 裏を返せば、じっくりと読む時間の保障をしないと、読みが上滑りになる危険性があることにも注意したい。                            

── 戦争と家族の愛がこの文章のテーマではあるが、主として筆者の父親を対象に
描かれていることに注目したい。したがって、課題・問題の設定も、戦争のことと父親の心情に絞った方が読みの深まりが期待できると思う。その意味では、課題・問題が明確に位置づけられているともいえよう。                     

 ── 予想される課題
その@ 戦争についてどのようなことがわかるか。
そのA 父親は末娘に対してどんな気持ちをもっているか。
 
四 生徒の実態 

 生徒の読みに対する構えは、とかく表面的な読みに陥りがちである。想像力を十分に働かせて表現を読みとることに慣れていない。また、獲得されている語彙も決して豊富とはいえない。これまでの読みの指導によって、その構えを作りつつあるが、自力学習にはおぼつかない。したがって、自力学習の段階ではかなりの援助が必要となることは否定できないと思う。

 ただ、戦争に関しては、本校の特色ある教育の一貫としての「平和学習」の取り組みによって、生徒一人一人が平均レベル以上の意識を身につけ、戦争に対する認識もそれ相応に高いと思われる。そのことは、この文章の読みに好影響を与えるものといえる。問題となる父親の心情の読み取りについては、多様な援助の工夫が必要であろう。

 また、個々にみる問題としては、多数の女子に比べて多数の男子の力が格段に落ちることである。その解決には、課題の解決を一人一人の読みとグループ読みを組み合わせた学習形態にしたい。それも男女混合のグループによるもので、人数は男女各2人程度にしたい。

    遅れた生徒の援助は、B課題の理解やC課題の解決の段階において、机間巡視による教師の援助と進んだ生徒によるグループにおける援助で補いたい。

五 目標

(1)単元の目標
 情景や心情の描写をとらえ、平和について考える。

(2)題材の目標
○ 作品の主題をとらえることができる。(上位目標)              
・戦争の悲惨さについて読み取ることができる。(下位目標)           
・家族の愛について考えることができる。(下位目標)
○ 作者のものの見方、感じ方、考え方をとらえることができる。(上位目標)   
・作者は戦争と人々の生活についてどんな考えかがわかる。(下位目標)
・作者がこの文章で訴えたかったことを読み取ることができる。(下位目標)
・作者は戦争についてどんな気持ちをもっているかがわかる。(下位目標)
○ 感想や意見をまとめることができる。(上位目標)              

(3)学習段階の目標

@課題の構成の段階
・提示された課題を比較し自分に合った課題を選択することができる。

A課題の理解の段階
・自分の選択した課題の意味がわかる。

B課題解決の計画の段階                            
・自分の課題はどんな方法で解決できるかがわかる。

C課題解決の実行の段階
・表現を想像豊かに読み、戦争の情景や父親の心情を深く読み取ることができる。  

D課題解決の検討の段階
・読み取ったことが正しかったかどうか確かめることができる。         

(4)観点別目標

〔関心・意欲・態度〕
・積極的にグループの話し合いに参加することができる。
・自分の課題解決のために読みに集中することができる。
・自分の課題について解決しようという態度ができる。

〔表現〕
・自分の読み取ったことをノートに書き出すことができる。             
・自分の読み取ったことをグループで分担して発表できる。

〔理解〕
・他のグループの発表の内容が理解できる。
 
六 基礎的基本的事項                              

(1)学習能力                                 

◎ 語句の意味・用法・慣用句など語句の特質を知ること。             
◎ 文や文章の構成に注意させること。                      
○ ものの見方や考え方を自分と対比してとらえること。              
○ 文章の構成の展開に即して理解すること。                   
○ 文章の展開に即して主題をとらえること。                   
○ 文章への興味・関心を深め想像力や思考力を伸ばすこと。            
○ 朗読により文章の内容や表現のよさを味わい深めること。          

(2) 態度・資質能力                             

○ 自分で課題を決めることができる。                      
○ 自ら学ぶことができる。                           
○ 自ら考えて学習することができる。                      
○ 主体的に判断するすることができる。                     
○ 主体的に学習活動をすることができる。                    
○ よりよく問題を解決することができる。                    
                                     
七 指導計画                                  

学習段階 学  習  活  動   学習形態 教師の援助
1 導入 ○学習目標の理解      
○全文音読   
○読めない漢字の読み    
○難語句の意味調べ     
○登場人物調べ
(第一主人公を決める)   
○場面の設定を確認する   
○グループを作る(4名1班) 
全体学習 ・説明   
・範読     
・共同学習  
      ↓   
・文章構成 
・班づくり 
2 @課題の構成
A課題の理解
   ↓  
選択 
○課題についての理解       
○課題についての話し合い     
課題の決定            
・戦争についてどのようなことがわかるか
・父親は末娘にたいしてどんな気持をもっているか        
班学習 ・課題の提示 
・共同学習 
・半々になるようする。    
B課題解決の計画 ○どのような方法で解決するかについ て考え、話し合う。       
○方法について理解する。     
班学習 ・共同学習 
・アドバイス 
3

4
C課題解決の実行 ○課題の情景や心情が表れている箇所 の読み取り(ノートへの書き出し)   ↓             
○課題の情景や心情を思い浮かべる( ノートへの書き出し)        ↓            
自力学習 ・机間巡視による援助   ↓
・評価、ヒント等  
   ↑     
個人又は全体に
C課題解決の実行 
↓↑ 
D課題解決の検討
○個人の読みを班で集約する(一人一 人が読み取ったことと浮かべた情景や心情を班の中で出し合う)    
  ↓             
○班でまとめる。         
班学習 ・読みの過ちや浅さの克服と深い読みを共有化する場面@   
○発表の準備をする。       
・誰が、何を、どのように発表するか
・課題と読み取った箇所と浮かべた事
班学習 ・分かりやすい発表の方法  
・初めと終わり 
5 ○発表する。            
↓             
○発表を聞く。         
・自分たちの発表を修正する。  
・質疑をする。         
班学習 ・読みの過ちや浅さの克服と深い読みを共有化する場面A
・作戦タイム  
6 まとめ ○評価を受ける。   
○感想を書く。    
全体学習個人学習 ・成就感と次への意欲喚起   

                                       
八 予想される学習内容(又はつまずき) 

@ 課題の構成の段階
 文章を読みながら二つの課題について比較検討し、どの課題を選ぶかを班で話し合う。自分が解決したい課題を優先する。話し合いがつかない時は、二つとも実行してよい、とする。

A 課題の理解の段階
 課題の選択の前に課題の理解がある。教師による課題提示では順序が逆になることを知っておく必要がある。したがって、課題を提示し、理解した後に班の話し合い・選択決定となる。

B 課題解決の計画の段階
 どのように解決するか、は生徒にとって未解決の問題である。教師がいくつかの事例を挙げながら、生徒の話し合いを作りだし、そして選択させていく方法が良いと思う。もちろん慣れてくれば短時間でクリアーできるようになる。

C 課題解決の実行の段階
 課題解決の計画が決まれば、課題について書かれているところ(表現)を読み取りノートに書き出す。読みの深まりと共にその数は増える。読みが止まった生徒へはヒントや方向性を与える。そして、書かれている表現から、豊かな想像力で読み取った事柄をふくらませていくことになる。読みの深いほど内容は豊かになる。       
 逆に、読み間違いをしたり、読みすぎたりする生徒も出てくる。そんな時こそ、机間巡視が役に立つ。生徒の能力に応じて、さらに突っ込ませたりするのもこの時である。  

D課題解決の検討の段階
 読み取ったことがらが、自分の課題にふさわしいものであるかどうかを判断する。そして、読み取った後の班の話し合いでも、自分の読みが検討される。その時、一人一人は自分の読みを深めたり、修正したり、補ったりすることになる。
 同様なことは、後の発表の段階でも生まれる。他の班の発表を聞いて、自分の班の発表を修正したりする。このようにして、主体的に判断したり、よりよく問題の解決にあたったりしていく態度が養われる。
                     
九 教師の援助・準備 

@ 「課題決定」に対して
○ 文章を読みながら、自分が浮かぶものが多い課題を決めるとよい。
○ その中から戦争の情景と主人公の心情のどちらかを決定する。

A 「課題読み」に対して
○ 自分の課題のが読みとれる語句や文を抜き出す。
○ ページや行の記入をさせる。
○ 課題の解決と答えを混同する生徒が出てくるので注意する。
○ 課題解決のための読みは読みを深めるが、答え探しは読みにはならない。

B 「情景や心情を浮かべる」に対して
○ 課題読みで書き出した「語句」や「文」から、戦争の情景や父親の心情を浮かべる。
○ 思い浮かべるためには、なぜこうした? それからどうした? どのようにした? などと、具体的に進めることを指示する。(映像化の手法)

C 「発表」について
○ 前置き、中継ぎ(接続詞)、まとめ(感想)を入れる工夫をする。        
○ 作戦タイムを有効に活用する。
 他の発表を聞いて、自分の班の発表を修正したり質疑を探したりする。
                                        
十 評価の観点 

@ 教材の目標を達成できたか。                         
○ 作品の主題をとらえることができたか。(下位目標の活用)
○ 作者のものの見方、感じ方、考え方をとらえることができたか。(〃)      
○ 感想や意見をまとめることができたか。(作文)               

A 自力学習の目標を達成できたか。(アンケート)                
・自ら課題を選らぶことができたか。                       
・自分にマッチした課題であったか。
・自分の課題はどんな方法で解決できるかがわかったか。
・主体的に判断しながら自ら学ぶ態度ができたか。                 
・想像豊かに読み、戦争の情景や人物の心情を読み取ることができたか。       
・班の話し合いに参加できたか。                         
・まとめたことについて、役割をもって発表できたか。
・他の発表を聞いて、よりよく問題の解決をする努力をしたか。
                                        
十一 読みの実際                                
事例  二年一組                               

1 課題1「戦争についてどのようなことがわかるか。」              
2 生徒が読み取ったところ(枠の中の数字は各学級の読み取った班名)         

戦争の様子がよみとれる語句 1組班 2組班 3組班 4組班
1 終戦の年の四月 2・3・8 3・5・6 3・4・6 5
2 学童疎開 2・3・8・9 1・3・4・6・9 3・4・5・6・7 3・4・5
3 大空襲 2・3・9 3・5・6・9 3・4・5・6・7 2・3・4・5・6
4 命からがらの目に遭い 3・9 3・5・6 4・5 2・3・4・6
5 暗幕を垂らした暗い電灯の下 2・3・8・9 1・3・5・6・9 3・4・5・6・7 2・3・4・5・6
6 当時貴重品になっていたキャラコ 3・9 1・3・5・6・9 4・5・6 2・3・4
7 雑炊用のどんぶり 9 1・3・5・9 3・4・6 ×
8 かぼちゃの茎まで食べていた 9 5・9 4・6 4
9 梅干しのたねをしゃぶっていた 2・9 1・5 4・5・6・7 3・4・5・6
10 しらみだらけの頭 3・9 1・3・5・9 4 2・3・4・5・6
11 防火用水桶 × 1・3・5 6 2・4
12 やせた妹 × 1・3・5・6 7 2・3

3 浮かべた情景                       

@「終戦の年の4月」                              
・建物がこわれて、火がついていたりして、人がとぼとぼと歩く様子。
・道などに人の死体があちこちに散らばっている。
・戦争がひどく空襲が何度もあるのであぶないため疎開をさせた。

A「学童疎開」
・空襲で、子供たちが無事でいるように、田舎へ連れていった。
・戦争中は食べ物があまりなかったので、栄養失調などにかかり、いろんな病気にかかった。
・子供だけでも生き延びてほしいという親たちの気持ち。

B「東京大空襲」
・東京で何万という爆弾を落とされて、街が焼けている時に、命がけで助かった。   
・いろんな場所に人の腕や足が飛び散っている。
・飛行機から爆弾をいっぱい落としてきて家が燃え、あらゆる建造物が何もかも燃えていき、家族みんながバラバラに離ればなれになってしまう。幼い子供が泣きさけんでいる。炎。死。

C「家こそ焼けの残ったものの命からがら」
・爆弾がたくさん落ちてきて家や畑が燃えている。

D「暗幕を垂らした暗い電灯の下」
・暗くて怖い壕のようす。敵に殺されるより自分たちで死んだ方がまし。
・暗い家の中で、こわい思いをしながら住んでいた。

E「当時貴重品になっていたキャラコ」
・一番安いキャラコが貴重品になるほど、何もかも戦争で失っていた。

F「雑炊用のどんぶり」
・食料が不足していたから、少しの食べ物だけでお腹いっぱいになるのは、雑炊くらいしかなっかた。日に日に雑炊に入れる食べ物がなくなって、ついには何も入れることすらできなかった。

G「かぼちゃの茎までたべていた」
・食料が不足していたので、かぼちゃの実だけでなく茎まで食べていた。

H「梅干しの種をしゃぶっていた」
・梅干しの実を食べ終わってもまだ足りなくて種にしみ込んだ味をしゃぶっている。  

I「しらみだらけの頭」
・しらみだらけの頭で寝かされている妹がかわいそう。
・食料不足で、栄養が足りなくて、体が弱くなっていって百日ぜきなてとの病気にかかりやすくなっていた。おふろに入ることなんて絶対できるわけないから、頭はしらみだらけで体はあかがたまり、においもものすごく臭くなっていく。
                                        
4 課題 「父親は末の妹にどんな気持ちをもっているか。」            
5 生徒が読み取ったところ(枠の中の数字は読み取った班名)  

父親の気持ちが読み取れる語句  1組班 2組班 3組班 4組班
1 不憫だというので両親が手放さなかった 1・5・6 4・7・8 1・2・8・9 1・7・8
2 はがきに自分あてのあて名を書いてもたせた  1・5・6 2・4・7・8 1・2・8・9 1・7・8・9
3 小さいのをとってもこの日は何も言わなかった 1・5・6 2・4・7・8 1・2・8・9 1・7・8・9
4 はだしで表へ飛び出した   1・5・6 2・4・7・8 1・2・8・9 1・7・8・9
5 やせた妹の肩を抱き、声をあげて泣いた    1・5・6 2・4・7・8 1・2・8・9 1・7・8・9

6 浮かべた父親の心情

@「不憫だというので・・・」

・物心もまだついていない子供を親元から放してしまうのはあまりにもかわいそうでならない。それにこんな戦乱のご時世で人の子までかまってやれるわけがないから。
・二番めの妹は疎開しているので末の妹だけでも側においておきたかった。また、幼くて不憫だったので、他人と暮らせるか心配だった。
・戦争中であぶなかったから。
・あんなにおさない娘を一人にさせるには不憫で心配だった。

A「おびただしいはがきに・・・・」

・毎日心配で、妹の体調を知っていたかったと思う。無事かどうか知っていたかったと思う。そして、字の書けない娘に○を書かせることで、文面という手紙もさせたいたんだと思う。
・妹の安全を毎日確認したかった。
・心配でたまらないから。最後まで手放さなかった娘だったから。
・娘を手放さすことになって、会えないからせめて手紙で元気な姿をしりたい。   

B「この日だけは何を言わなかった・・・」

・疎開先でかわいそうな思いをした妹に満足な生活ができなくて、苦しい生活を強いられていた妹に、少しでもいい思いと家に帰ってきて、今は家族の愛情が、妹を守ってやれるという安心感をもたせてやりたかった。梅干しの種をしゃぶるほど貧しくく百日ぜきという病気までわずらっていた妹への父からの今できるせめてものプレゼントだったと思う。
・疎開先で、かわいそうな生活をしていた。元気のない妹を元気づけたかった。    
・妹を喜ばせるため。百日ぜきをわずらっていて元気がなかったから。 
・妹は栄養失調のせいで百日ぜきになってしまった。妹のことで頭がいっぱいでかぼちゃのことは頭になかった。

C「はだしで飛び出した」

・ずっと目にしていなかった妹を一秒でも早く無事かどうかについて目にしたかったし、自分たちの判断で疎開させ、不憫な思いをさせ、苦しい生活を強いられている妹へのわびる気持ちと父親として、わが子が大切なのだったっだろう。
・久しぶりに帰ってきた妹を見たくて、誰よりも先に妹を見たかった。
・妹が帰ってくるのをずっと待っていたから。                   
・娘の姿を一目でも早く見たい。無事かどうかを確かめたい。
・心配だったから。戦争中だったから。                       
                                     
十二 授業を終えて 

1 努力したこと                                

(1)今年の2年生は、読書量が少ないせいか、それとも他の理由かは知らないが、語彙が豊かでない。授業の反応によってそれが感じられた。
@ ことばの置き換えによって語彙を増やす努力をつづけること。
A 輝く表現、突っ込んだ語彙には称賛を与えること。

(2)一方、授業の構えについても、受け身が多くまだ幼稚である。とても自ら学習する気構えなどないに等しい。
@ なるべく突き放しながら徐々にその気構えをつくっていくこと。
A 基礎的な学習(読みの力など)能力をつけていきながらの橋渡しをしていくこと。

(3) 男女の差が大きく、また男子の中での差も大きい。学習能力の低さが目立つ。興味ある授業の進行でつなぎとめながら、基礎力をつけることが課題となる。
@ とにかく授業に参加している意識を持続させるためには生徒一人一人の意思表示の場面を一回でも多く設定すること。

2 成果

(1)課題読みの初期の段階としての取組であった。したがって、課題は教師が提起し生徒はその中から選択することから始まった。選択するというもっとも簡単な手法からの課題読みである。

 そのような方法から、グループでの課題づくりや個人の課題づくりへと段階を上げていくことにする。最終的には個人で課題をもち、個人で解決して、全体で深めることである。

(2)文章の読みでは、とかく上滑りになりがちな生徒の読みに、節々をつけ、読みの深みを作る作業は重要である。その面からすると自分たちの選択した課題にそってその箇所を読み取る作業は、生徒の読みに深みをつけると思う。それは、文章の語句から、生徒が自由に想像力を発揮して、イメージを広げていったことからいえることである。

 一方、語句の読み取りもすべて自分たちでやり、語句のイメージづくりにも効果があったといえる。一斉授業の時感じた語彙力の低さを、興味を持ちながら読みを深める課題読みによって克服されそうである。

(3)一人読みをグループの読みに集約し、それを発表にもっていったが、その過程はまた、一人一人にとっての読みの深まりを促すことにつながったといえよう。

3 課題読みの段階で新たに分かったこと

(1) 学習についていけなかった生徒(一斉学習で)について
@ その何パーセントかが自主的に取り組みはじめたこと。
A 残りの何パーセントかは取り組めないことが把握できたこと。

(2) 従来の一斉学習では、上記の生徒は授業過程の中で埋没していて、その手だてが生まれてこなかった。課題読みの段階では、一人一人の学習の進度が見えるし取り組めない内容も把握できた。したがって、一人一人に対する対応ができるというメリットが明確になった。                                                                   
4 授業の感想のまとめ(生徒作文) 


戻るトップへ